第3回チラ-1GP結果発表

♣第1位♣

369商店


【講評】赤色のトマトに、黄色い背景という彩度の高い2色を採用し、圧倒的なインパクトで来館者から票を集めた。文字をできる限り少なくしつつも、「その土地のよいものを」という、チラシで伝えたいメッセ―ジを表現している。文字情報へのこだわりを捨て、視覚的なメッセージに注力することで結果に繋げている。 前回のチラ1GPも、野菜のイラストや漂白されていないクラフト紙を使用することで、おしゃれなチラシを作成し、2位と好成績。 今回は、裏面から団体の様子が分かるチラシになっており、チラシ力の向上が見られた。

♣第2位♣

南丹市「匠たちの技と美」


【講評】文字を黒色、明朝体に統一し、チラシに落ち着いた印象を与えている。 文字量が多いように思えるが、サイズを小さくすることや、配置に規則性を持たせることで、統一感が感じられ、すっきりさせている。来館者からは、「シンプルなデザインが好印象」との声があった。 小さ目の文字を採用しながらも、伝えたい「日時」と「場所」は、大きく表示するなど、情報に優先順位をつけていることにも注目したい。

♣第3位♣

京都市未来まちづくり100人委員会


【講評】主催の「京都市未来まちづくり100人委員会」のロゴマークにも使用されている3色をメインカラーとして採用しており、色遣いにこだわった作品。 写真やイラストを用いずにおしゃれでわかりやすいチラシづくりに成功しており、学ぶところが多い。 複数の色を使用しているが、色遣いの規則性とトーンの統一感で一つの世界観を上手く作り出している。 得票数5票全てが女性票。色合いや洗練された線の使い方などデザイン性の高さが女性にうけた。

♣第3位♣

地の和人の輪市実行委員会


【講評】オリジナルの字体でデザインされた「地の和人の輪市」のタイトル文字や、神紋をかたどって配置された出展写真など、工夫が凝らされた作品。 字体を変えて情報の強弱をつける工夫もおもしろいが、行き過ぎると見づらくなる可能性もあるので注意。チラシ全体の背景写真が好評で票を集めた。

♣第3位♣

ムラガーレ食堂


【講評】キャッチ―なタイトルと、ユーモアのある文章で見る人を惹きつけた「ムラガーレ食堂」。 一枚のチラシで複数回のイベントの広報を行う工夫もしている。 地図やイベント詳細の枠は、配置が雑な感じもあるが、企画そのものの雰囲気を暗示する狙いかもしれない。背景写真がやや暗いが、これによって団体の空気感や、イベント当日の様子なども醸し出している。

♣第3回チラ-1GP総合評価♣

 素材となる写真やイラスト、文字などの構成要素レベルの差が、今回の結果に大きく影響したように思える。背景写真に白文字という構成のチラシが増えてきていることから、良い素材を使うことで他と差をつける必要があるかもしれない。

 チラシの目的も様々で、必ずしも不特定多数の集客を狙っているとは限らない。例えば、紙の材質に工夫し、当日のイベントに使えるようなチラシの二次活用が可能な作品もあり、おもしろい。重要なことは、何のためにそのチラシを作るのか、目的やターゲットをはっきりさせておくことだ。

 上位入賞できなかった作品には、印象の薄い写真や、情報を埋め込んでまとまりのないものも多い。次回は、適度な余白も活用し、より優れたチラシが増えることに期待したい。